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平成27年度 第7回 東京都住宅政策審議会企画部会 (平成28年3月30日)における資料及び主な意見の概要

最終更新日:平成28(2016)年6月17日

資料

議事概要

  • ・ これまで企画部会で議論した内容について取りまとめた、「企画部会第二次報告(案)」について、議論した。
  • ・ 次回審議会にて、「企画部会第二次報告」として報告を予定する。

主な意見の概要

【企画部会第二次報告(案)について】

<目標1 住まいにおける子育て環境の向上>

○ 将来世代を担う子育ての住宅の支援というのは非常に重要なところだと認識している。いわゆる住宅政策の観点からは、安心して使ってもらえる器を用意する、その環境整備が大きなポイント。もう1つは、実際に支援を受ける住宅をどうやって掘り起こしていくかということと、人材との兼ね合いで、どうやってそれが活用されていくかという仕組みも非常に重要。

<目標3 住宅確保に配慮を要する都民の居住の安定>

○ 「(2)④住宅のバリアフリー化などの促進」で「都民の健康、長寿実現の観点から、住宅の断熱性の向上を図るべきである」とあり、これはとてもいいことだが、断熱性の向上が図られると長寿とか健康にいいということの都民への啓発を是非併せてやっていく、ということを付記してほしい。

<目標4 良質な住宅を安心して選択できる市場環境の実現>

○ 「(2)②既存住宅を安心して売買等ができる市場の整備」で、「瑕疵担保」とあるのは、「瑕疵保険」ではないか。また、「住宅検査」という言葉は、国では「建物状況調査(インスペクション)」となっているので、「インスペクション」という言葉を入れたほうが、わかりやすい。

○ ①の「環境に配慮した住宅の普及促進」というところで、「地域材」の活用についての記述を入れてはどうか。

<目標5 安全で良質なマンションストックの形成>

○ 居住者である管理組合の方々が、維持管理というものが非常に重要だということの意識づけがなければ、どんなにいい制度、仕組みがあったとしても、なかなか使われない。中古でも新築でも、新たに入居するときには、当事者意識を持って管理組合の運営とか、役割分担をきちんとやってくださいというようなことを、マンションの契約等の場面で説明して意識を醸成させるような手段を設けたほうがいいのではないか。

○ 既存マンション取引における管理情報の開示促進・査定への反映の説明は、「良質なマンションストックの形成促進計画」を見て、という感じで括られているが、例えば、計画では、団体が作っているフォーマットの普及を図るべきというところに、もう一歩踏み込んで、東京都では登録制度をもっと改善して普及し、自ら開示していくことを促進するということを位置づけているので、ここにも記述することを検討していただきたい。

<目標6 都市づくりと一体となった団地の再生>

○ ここに書かれている地域コミュニティの形成ということに関して、団地単位でというときに、今までの管理組合組織単位とか、異なる建築管理形式ゾーンごとの管理組織単位だけに止まらずに、それらの多様な管理組織を超えるエリアマネジメントに類する仕組みということを今後検討していただくといい。

○ 「①安全・安心に暮らせる団地再生」のところは、3項目めの冒頭に、マンションのことだとわかるよう、「マンションでは」と付けたほうがいい。

○ 「③良好な地域コミュニティの形成」の最後の項目の「住宅団地を地域の大学の学生寮として活用するなど」というところに、「多世代共生による地域の活性化」といった言葉を添えられたほうが、本来目指しているものにつながっていく。

○ 「④計画的な住宅団地再生」の4項目めに、「団地マネジメント活動の・・」とあるが、「団地マネジメント」がイメージできる言葉が補足されるといい。

<目標7 災害時における安全な居住の持続>

○ マンションの防災対策はマンション部会では十分に対応できなかったので、ここでしっかり書き込んでほしい。

<目標8 活力ある持続可能な住宅市街地の実現>

○ 環境審議会から出された答申を踏まえて、いわゆる環境対応については上手くまとめていただいたという印象をもっている。

○ 「①空き家対策の推進」の中で「空き家の発生抑制」とあるが、親の家を相続した子が、そこに住まないということで空き家になるケースが結構多い。空き家になるケースをよくよく突き詰めていくと、親の家がごみ屋敷みたいになっていて、片づかないので、とりあえずそのまま放っておくというようなことが現実的には結構多い。高齢になると、まずいろいろな事細かなルールの判断がなかなかできず、ごみの分別も困難。そのため、空き家を抑制する一歩手前の問題として、ごみ屋敷化させないということが実は現実的にはとても大事ではないか。

○ 空き家の問題というのは、不動産だけの問題ではなく、生活の問題があって、行政の連携、民間業種間の連携、そして公と民の連携が非常に重要。そういった相談体制を構築するということを検討してほしい。

○ 「③緑・景観など良好な住環境の保全と向上」のところで、「住宅地のマネジメント」という言葉があるが、「団地のマネジメント」と同様、何のことを指しているのかよく理解ができるようにしたほうがよい。また、「地区計画、建築協定等の活用」とあるが、できれば、「景観協定等」を入れたほうが、生活面も含めたルールがつくられていき、本来の住宅地のマネジメントにより近くなるのではないか。

○ 「住宅地のマネジメント」と「団地マネジメント」などは用語の定義をしてはどうか。

<Ⅱ 立地に応じた施策のあり方>

○ 「立地に応じた施策のあり方」について、人口減少により民間投資需要もゾーンが限られていくと思う。木密地域の改善や困難なマンション建替えなどは、民間投資に任せていたのではなかなか進まない。民間投資を促進するという観点では、いろいろなツールが用意されており、そのインセンティブに応じて、子育て支援とか、いろいろな施設も充実していっている。行政が供与するボーナスとか、支援とか、補助金の支援のツールの中身と量が、それぞれに対して公共政策として実現したい目的や効果とうまくバランスしているかどうかというのを、いずれ再検証したほうがいいのかなと感じている。

<その他>

○ 今回の答申の中には数値目標とか、スケジュール的なものは盛り込まないのか。

○ 東京の住宅政策なのだから世界都市東京の住宅政策を語ってほしい。日本の経済をまさに牽引していく、日本人だけではない、海外のビジネスマンも含めた、そういう人たちが生き生きとビジネスをやっていくための居住の場みたいなものをきちんと意識しておくべきではないか。

○ 「検討すべきである」と「実施すべきである」というのが微妙に書き分けてあって、これはたぶん実現可能性などを勘案した書き方になっているのかなと思うが、「検討すべき」と書かれているものについて、本当に今この段階で、このレベルでいいのか、「実施すべき」と思い切って書かなくていいのかということを、ほかのところも含めて、もう一度再検証してほしい。

【企画部会終了後に提出された意見】

○ 「目標8(2)①空き家対策の推進」の「既存ストック活用による地域の活性化」の4項目めで「空き家を住宅以外の用途として活用する際は、・・・法的な基準や手続きについて整理し」とあるが、この表現だと現行制度のままでその情報を伝えるだけに止まる意味になる。既存建築物の活用について、法規等の扱いも都独自に積極的に規制改革できる部分があるのではないか。

○ 空き家の適正管理及び利活用を図るには、既存建築物等への「再投資」の仕組みが必要。再投資の方法について、もう少し踏み込めないか。

○ 熊本地震を受けて既存木造家屋の倒壊防止対策の検討が必要になると思うが、地震のメカニズムが解明された後の課題として今後検討すればよい。今回の報告案は3月までの検討をまとめたものとして扱えばよい。