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平成26年度 第3回 東京都住宅政策審議会企画部会(平成26年8月6日)における資料及び主な意見の概要

最終更新日:平成26(2014)年10月29日

資料

議事概要

  • ・当面のスケジュールとして、平成26年10月、12月に企画部会を開催し、平成27年1月に審議会への部会報告を行う予定とする。
  • ・マンション部会での議論を踏まえたマンション施策に関する答申に加えて、マンション以外の早期に取り組むべき施策について企画部会で議論し、平成27年9月に予定している第一次答申に盛り込
  • ・「子育てしやすい住環境の整備」、「高齢者世帯への対応」、「空き家の対応」、「(空き家と関連して)既存住宅市場の活性化」、「大規模団地の再生」、「安全・安心な住宅・住宅地への誘導」について、先行して議論していく。

主な意見の概要

<住宅政策の検討課題と今後の方向性について>

(安全・安心な住宅・住宅地への誘導)

○ 耐震化・不燃化に関する効果的な普及啓発や支援等については、これまでも議論されているが、現状では十分に効果的であると言えない。斬新な施策を提案していただきたい。

○ 災害時に損失した費用を公共・保険・個人がどう補填していくのか、そのバランスが重要になる。よい住宅は保険料率が低くなっており、住宅に対する居住者の意識を計るものとして、保険のデータなどがあるとよいと思う。

○ 比較的堅牢な集合住宅では、災害時に在宅避難が基本となっている。地域防災計画の下に地元の自治体や大規模マンションが地区の防災計画を自ら立案し、市区町村の地域防災計画にそれを織り込む方向性が打ち出されたが、それについて東京都としてどのように取り組んでいくか議論すべき。

○ 四国地方では、地域と集合住宅で津波避難に係る協定を結んでいる例がある。都においても、避難時に対象者に何を提供するのかなどに関する協定のひな形の作成を検討してはどうか。

○ 超高層マンションだけでなく、民間賃貸住宅も都の避難待機住宅に位置付け、最初の段階から、避難待機住宅として対応できるよう建設すべきではないか。

(環境に配慮した住宅の整備)

○ 断熱性能や気密性能が高い住宅は、エネルギー消費を抑えるとともに、健康で快適に暮らせる住宅という見方ができる。健康で元気な高齢者を増やすという、高齢化社会を前向きにとらえる住宅政策という考え方があってもよいのではないか。

(豊かで暮らしやすい住環境の形成)

○ 高齢者や子育て世帯等のケアに携わる者や大工など、地域内で住生活を支える人材の育成という視点が、空き家の対応や豊かで暮らしやすい住環境の形成等の議論の中で必要ではないか。

○ 今後、高齢者や子育て世帯のケアは外国人の労働力に頼らざるを得ない状況になると思うので、外国人が定住して、住環境を支える仕組みも検討すべきではないか。

(大規模団地の再生)

○ 人口減少社会に向かう中、都心部はコンパクトシティ化が進む一方、かつてのニュータウンはその対極にある。このオールドタウン化するまちをどのように位置付けるかという観点が、今後の住宅政策の議論に必要ではないか。

○ 大規模団地を地域全体の中でどのように位置付けるか、建替え後の創出用地にどのような需要があるのかなど、都と地元自治体が連携して検証し、長期的な施策を検討することが必要ではないか。

(空き家(民間戸建住宅等)の対応)

○ 空き家対策には、廃屋になった空き家への対策と、空き家を利活用する対策とがあるが、人口及び世帯数が減少局面に転じる将来を見据えて、都市をスマートシュリンクさせていくために、廃屋になる前の空き家を積極的に取り壊すという除却促進策も検討すべきではないか。

○ 防犯等の観点から、廃屋となった空き家を壊し、更地にすることが必要だが、借地上の建物は法律上取り壊すことが簡単にできない。法的な整備が必要ではないか。

○ 高齢者や子育て世帯等のケアに携わる者や大工など、地域内で住生活を支える人材の育成という視点が、空き家の対応や豊かで暮らしやすい住環境の形成等の議論の中で必要ではないか。(再掲)

(既存住宅市場の活性化)

○ 既存住宅の適正管理、活性化については、マンションと戸建て住宅で状況が異なる。マンションについては、マンション部会の検討状況及びデータ等について、企画部会でも情報を共有し、戸建て住宅については、企画部会でデータ等を集めて、課題を抽出すべきではないか。

○ 「既存住宅市場の活性化」と「住宅リフォーム市場の活性化」という区分がなされているが、目的は、一般消費者がどのようにして安心して中古市場に参加できるかということである。

(高齢者世帯の対応)

○ サービス付き高齢者向け住宅については、住宅数を増やすことが中心で、ソフトの面が不足していると思う。在宅介護の促進という観点から、ケアマネージャー等を地域内でいかに養成するかという議論も深めるべきではないか。

(住宅確保要配慮者への対応)

○ 良質な住宅が現実に空いているのかという点が問題としてある。居住支援協議会を設立している3区の事例を検証し、住宅確保要配慮者と良質な民間賃貸住宅とのマッチングの成功事例、具体的な課題、実現可能性について議論すべきではないか。

(都営住宅の入居・管理)

○ 都営住宅の巡回管理人制度が導入されているが、高齢化の進行を踏まえて現地での管理体制の強化を検討すべきではないか。

○ 都営住宅を含めて住宅確保要配慮者への対応については、生活保護世帯の増加、相対的な貧困率の上昇、所得格差の拡大などの状況を踏まえて、先行的に議論すべきではないか。

○ 都営住宅だけを取り出して議論することもあると思うが、他の施策に関連して、手段として都営住宅をどう活用していくか、テーマ別の議論の中で検討することも念頭に置くべき。

(災害復興における住宅対策)

○ まちを含めた居住の安定という観点から、例えば耐震性の確保された建物を災害時にどのように活用するのか等、災害時における地域協定に関して一定の方向性を示すべきではないか。

○ 四国地方では、地域と集合住宅で津波避難に係る協定を結んでいる例がある。都においても、避難時に対象者に何を提供するのかなどに関する協定のひな形の作成を検討してはどうか。(再掲)

○ 超高層マンションだけでなく、民間賃貸住宅も都の避難待機住宅に位置付け、最初の段階から、避難待機住宅として対応できるよう建設すべきではないか。(再掲)

(区市町村との連携強化)

○ 区市町村との連携強化は、別の項目として議論するのではなく、各検討課題のなかで合わせて議論すべきではないか。例えば、サービス付き高齢者向け住宅の整備促進においては、福祉サービスが十分に提供されていないなど、区市町村の福祉行政と十分に連動できない状況もあると思う。

(その他)

○ 都内では、民間賃貸住宅が大きな割合を占めている。民間賃貸住宅を、災害時のみなし仮設住宅に活用することを念頭に、民間賃貸住宅の管理の適正化を検討テーマに加えるべきではないか。

○ 都内の民間賃貸住宅は、戸数が非常に多い一方、他の住宅に比べて居住水準が低い。また、民間賃貸住宅の管理は、空き家の対応、既存住宅市場や住宅リフォーム市場の活性化などの項目に関係する。したがって、民間賃貸住宅を大きな柱の一つとして、議論の中に組み込むべきではないか。