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平成26年度 第2回 東京都住宅政策審議会企画部会(平成26年6月30日)における資料及び主な意見の概要

最終更新日:平成26(2014)年8月29日

資料

議事概要

  • ・ これまで2回の企画部会で出た意見については、次回の住宅政策審議会に部会報告をする。また、その報告内容については、部会長に一任する。
  • ・ これまで2回の企画部会を通じて、マンションに関しては多くの意見があり、検討すべき事項がたくさんある。マンションに関して集中的に議論するために、企画部会とは別に部会を設置すべきとの意見でまとまり、その旨審議会に報告する。

主な意見の概要

<人口減少等の社会情勢の変化への対応>

○ バブルピーク時の特定優良賃貸住宅、シルバーピアなどのストックをどのように活用していくのか。これまでどうやってきたかなど、きちんと把握することが必要。

○ 非正規雇用は職の選択肢を広げ、労働と生活の調和に貢献しているが、若年層を含めその割合が高くなっている。安定した雇用・労働は衣食住を支える基本であり、住宅政策を議論するバックグランドとして情勢をみていく必要がある。

<分譲マンションの管理と情報の開示等>

○ 既存住宅流通ではマンションが多いため、マンションの流通をスムーズにすることが必要である。管理情報について共通シートをつくるなどして、市場で評価されるようにすることが重要である。

○ 既存住宅流通を活性化させるには、情報を透明化させることが必要。後々のトラブル回避にもつながる。マンション売買時に管理情報は重要事項説明を通じて買い主に開示されるが、その調査のフォーマットがなく調査にも時間がかかっている。管理情報をスムーズに提供できる仕組みができないかと思っている。

○不動産を買うときには、情報サイトを見ることが多い。そのサイトの中に例えばインスペクションの有無、履歴公開の有無などの項目を掲載すれば、事前に比較検討することができるのではないか。

○ マンション売買時の「管理に係る重要事項調査報告書」は、管理業者団体において雛形が示されており、見直し作業も進んでいるので各般で活用することが望まれる。一方、管理組合として自分たちのマンションの情報を積極的に開示したいところもある。そうした情報を開示する仕組みを作れればと考えており、協会としてもその方法を検討している。

○ マンションの管理情報として、マンションみらいネットを公開しており、国で管理に関する全体情報をデータベース化しようという動きもある。マンションみらいネットについても普及していきたいと思っている。

<高齢者世帯への対応>

○ サービス付き高齢者向け住宅の戸数は増えている。このうち特別養護老人ホームの代替として介護サービスを受けることを入居の目的としているものが7割強、早めの引っ越し、備えとしての自己決定での入居が2割強という状況(全国ベース)。サービス付き高齢者向け住宅の供給対象者をどこに設定するか明確でない。

○ アンケートでは50代・60代の2人に1人が持家を終の棲家と考えている。自宅に可能な限り住み続けられることを充実させることが必要である。しかし、持家で寝たきり等になった場合は、転居先の選択肢の1つであるサービス付き高齢者向け住宅も、看取りまでは対応できているところは少ない。持家での終の棲家は難しく、特別養護老人ホームも足りなくて入居が難しいとなった場合、サービス付き高齢者向け住宅も機能的には十分ではないとなると、どう対応するのか考える必要がある。

○ サービス付き高齢者向け住宅の基準については、要件緩和だけだと質の悪いものが増えることになりかねない。また、サービス付き高齢者向け住宅のサービスを担う人材育成も必要である。

○ 高齢者のターゲットのボリュームがわからないまま個々の施策が議論されている。対象者を想定して議論を進めるべき。

○ 高齢者について、5年後、10年後の人口動態や所得階層によって、状況がわかるようなものがほしい。

○ 一人暮らしの高齢者は、介護や医療が必要になってくる状況がある一方、元気な高齢者もいる。元気の出るような多様な住まい方(シェア居住など)の提案もあってよいと思う。

<低所得者等への対応>

○ 高齢で単身の借家世帯が問題。都外施設で生活している人もかなりいる状況もある。そのような状況も踏まえて議論すべき。

○ 所得の低い方々は、公営住宅のみでなく、民間住宅にも住んでいる。

○ 賃貸に住んでいる高齢者には、低所得も多いと考えられ、住宅政策のターゲットとして考える必要がある。

○ 入居者の死亡などの万が一のトラブルに行政や協議会がどうフォローしていくのかなど、ソフト面での仕組みづくりが重要である。建物所有者(賃貸人)が安心して供給できるためのマニュアル化などが必要である。

○ 単身世帯は2010年で45.9%の割合となっており、この中に新しい住まい方であるシェア居住やいわゆる脱法ハウスなども含まれている。また、所得が低い人は子供をもつことも難しい状況であり、そこを議論しないと一部の人を対象とした議論になる。

<子育て世帯への対応>

○ 子育て世帯については、世帯収入に応じた支援を考える必要がある。

○ 少子化対策については、住宅政策だけでできることは限りがある。経済政策を含めた広い取組の中で、住宅政策の果たすべき役割を論じるべきではないか。

<既存住宅流通>

○ 中古住宅購入に対する不安をなくそうということで既存住宅インスペクション・瑕疵保証責任保険・住宅履歴情報への登録の3点を満たした事例を集めて制度のスキームの検証をしようしたが、すべてを利用するケースは少なかった。別の流通システムが必要であり、スキームについて検証していけたらと思う。

○ 既存住宅については、購入者の意識が大事であり、その年代によって意識に差がみられる。このような状況を踏まえて、中古住宅の流通を考えたほうがよい。

<空き家・空き家活用>

○ 持家に住んでいる人は、持家を空き家にして施設に移ることになる。空き家にならないように資産活用していかないと空き家が増えて、マネジメントもされないまま、さびしいまちが広がっていくことになる。

○ 住んでいる方が動けなくなってから住宅を市場に出そうとしても権利関係が残るなど難しい。早期に動き、住宅を市場に出せるように福祉政策と住宅政策との連携が必要だと思う。

○ 空き家になる前から権利関係を整理し、サービス付き高齢者向け住宅などに移る際に住まいを将来的にどうするのかアドバイスをしてかないと権利関係だけが残ることになる。

○ 空き家バンクは賃貸を基本としているが、積極的に売却にもっていくような支援が必要。

<環境に配慮した住宅>

○ 長期優良住宅と併せて低炭素住宅の認定が始まった。低炭素や省エネ施策も併せて進めていくことが必要である。

<まちづくり>

○ 高齢者関係の施設を創出用地で供給していくときには、公有地の有効活用という観点だけでなく、地域のまちづくりの視点が必要ではないか。地元自治体や地域社会や新規に進出する事業者と連携できるプラットフォームをどう作るかを含めて、運営に配慮していけばよいと考える。

○ 大規模団地の建替えに伴う大規模商業施設の立地は、中小企業などの地域経済政策に与える影響が大きく、地域の経済政策、産業政策との連携も必要である。

○ 多摩地域は団地が多く、建替えだけでなく、既存のストックをどうやりくりするかも課題である。

<区市町村との連携>

○ 高齢者の介護を担う区市町村に、都道府県レベルで行う住宅政策の住まいの部分がどのようにつながるのか判然としない。居住支援協議会はブレークスルーの鍵となると思っている。区市町村、介護、福祉、医療を含めた連携が重要である。

○ 都の役割をきちんと位置付けることが必要。都内の区市町村の状況も様々であり、都の立場としてマネジメントをどうするのかが課題。

<福祉政策との連携>

○ サービス付き高齢者向け住宅も地域包括ケアシステムの一つの施策ツールとして位置付けてマネジメントすることが重要。

○ 住んでいる方が動けなくなってから住宅を市場に出そうとしても権利関係が残るなど難しい。早期に動き、住宅を市場に出せるように福祉政策と住宅政策との連携が必要だと思う。(再掲)

<その他>

○ 以前は、住宅政策の議論はモノとしての住宅がベースだった。現在の課題は、各々の人が生活を組み立てるうえで、住宅政策として関われる部分はどこかというものであり、従来の住宅政策とは異なっている。

○ 賃貸住宅の建設等が増えており、策を講じないと1Kタイプが増えるだけだが、工夫によって高齢者や子育て世帯にふさわしい住宅となるよう誘導できる可能性もある。民間住宅投資に対して、どのようにして都が関わり、住宅政策をつくっていくのか議論していけばよいと思う。

○ 一人暮らしの高齢者は、介護や医療が必要になってくる状況がある一方、元気な高齢者もいる。元気の出るような多様な住まい方(シェア居住など)の提案もあってよいと思う。(再掲)